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患者数4600万人「認知症」治療薬開発まであと一歩?

エコノミスト編集部

 超高齢化時代を目前に、日本は認知症という重大な問題に直面しようとしている。世界の製薬各社が薬の開発にしのぎを削る。週刊エコノミスト2017年7月4日号の特集「認知症に克つ」よりダイジェストでお届けする。

世界の製薬会社が開発にしのぎを削る

 認知症の国内患者数は2012年の推計値で462万人、25年には約700万人に増加すると予想されている。国際アルツハイマー病協会によると、世界の認知症患者数は15年で4680万人だ。

 認知症は、学習や記憶、感情などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたした状態を指す。仕組みはいまだ未解明で、病気の原因となる物質も特定されていない。現在発売されている治療薬は、進行を半年から1年遅らせる程度。世界の製薬会社は、根本的な治療を目指す薬の開発にしのぎを削っている。

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藤枝克治編集長率いる経済分野を中心として取材、編集するチーム。経済だけでなく社会、外交も含め幅広く取材する記者の集団であり、各界の専門家にコラムや情報提供を依頼する編集者の集団でもある。