沖縄の窮状伝えた2500通 「人権抑圧」復帰前に本土へ手紙

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「悲願の定期便」と書かれた台帳を手に、本土復帰への思いを振り返る山城正二さん=沖縄県国頭村で2019年5月10日午後1時38分、遠藤孝康撮影
「悲願の定期便」と書かれた台帳を手に、本土復帰への思いを振り返る山城正二さん=沖縄県国頭村で2019年5月10日午後1時38分、遠藤孝康撮影

 15日に本土復帰47年を迎えた沖縄。名護市の山城正二(やましろせいじ)さん(83)は1972年の復帰前、全国の見知らぬ人々に毎日1通の手紙を送り、日本国憲法が適用されない米国統治下の窮状を訴えた。復帰はかなったものの、過重な基地負担は変わらず、苦しみは今なお続く。山城さんは言う。「多くの基地を抱えている沖縄の人々の思いがいまだに本土に届いていない」

 「悲願の定期便」と書かれた台帳には、手紙を送った日付と宛先、返信の有無が記録されている。山城さんは65年9月から復帰まで、新聞や雑誌の「文通したい」という欄にあった名前や住所に宛てて1日1通の手紙を送った。給与や教育面の本土との格差を示す資料を添え、「沖縄は異民族支配の下で不平等に取り扱われてきた。問題を解決するのは結局、祖国復帰以外にない」と支援を求めた。

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