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決算発表延期で近づいた「東芝破産」の現実味

編集部
記者会見を終えて退室する東芝の綱川智社長=2017年5月15日、丸山博撮影
記者会見を終えて退室する東芝の綱川智社長=2017年5月15日、丸山博撮影

通期決算発表も延期(2)

 2017年3月期決算発表を延期した東芝は5月15日午後、綱川智社長が記者会見し、期限までに決算発表ができない理由と、暫定的な決算数値を「業績見通し」として説明した。

 会見で最も気になったのは、綱川社長の発言に力が感じられなかったことだ。綱川社長はこれまでの会見では早口ながら、語尾まで比較的しっかりと話し、東芝を再建軌道に乗せようと力を尽くしていることをうかがわせた。ところが、この日に限っては、言葉に力がなく、表情は沈んだまま。記者の質問に対して、語尾が聞き取れなくなる回答が目立った。

 米原発事業で巨額損失が明らかになった12月27日を皮切りに、綱川社長は1月27日、2月14日、3月14日、3月29日、4月11日と6度にわたる記者会見を行い、この日が7度目の登場だった。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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