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「自衛隊」発言を“誤解”と言い繕う稲田防衛相のごまかし

川井龍介・ジャーナリスト
閣議後の記者会見で自身の発言について振り返る稲田朋美防衛相=2017年6月30日、中村藍撮影
閣議後の記者会見で自身の発言について振り返る稲田朋美防衛相=2017年6月30日、中村藍撮影

 「そんなつもりでいったんじゃないのに」、「真意が伝わらないなあ」。そんな思いをしたことは誰にでもあるのではないでしょうか。

 Aさんは部下宛てのメールで「もう少し周囲とのコミュニケーションがうまくできれば、君もいいんだけれど」と書きました。将来性を見込んで激励したつもりだったのですが、部下は、自分は評価されていないんだ、とがっかりしてしまいました。

 言葉だけを見れば、激励しているととれないことはありません。でも、注意しているとも受けとれます。この言い方には「誤解」を生じる余地があったと言えます。

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ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。