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「もはや死に体?」通期決算も出せない東芝の体たらく

編集部
記者会見に臨む東芝の綱川智社長=2017年5月15日、丸山博撮影
記者会見に臨む東芝の綱川智社長=2017年5月15日、丸山博撮影

通期決算発表も延期(1)

 東芝は5月15日の昼前、2017年3月期決算の「業績見通し」の資料を発表し、午後2時から綱川智社長が記者会見を開いた。この日は17年3月期決算の期末日から数えて45日目にあたる。東芝は本来なら、業績見通しではなく、普通の決算発表をしなければならない。ところが、2回にわたって延期した16年4~12月期決算と同じように、監査法人から承認を得られず、「業績見通し」として数値を発表する異例の形となった。

 記者会見に先立って発表した「業績見通し」の資料には、「業績見通しに関するお知らせ」という1枚のペーパーが付いていた。そこには「5月中旬には決算の内容を公表する予定である旨お知らせしておりましたが、当社として決算作業を進めており、現時点では監査手続きは継続しております」と書かれていた。PwCあらた監査法人の監査手続きが終わっていないため、正式な決算発表ができない、という言い訳だ。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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