2020年東京五輪の次の国際イベントは「大阪万博」だと言われている。大阪市議会は11月15日、「(25年の開催を目指し)実現に向けて全力で取り組む」とする決議を賛成多数で可決した。その実現で関西経済の浮揚を図る、というのが推進派の主張だ。根拠の一つに、1970年大阪万博の活況の“思い出”があるようだ。しかし、結論から先に言えば、大阪万博で関西経済が活性化したなどという事実はない。
当時を知る人は、むしろ70年代が日本経済にとって苦難の10年間だったと記憶しているだろう。大阪万博後にオイルショックが起きて、原油価格の急上昇で経済に大きな問題が生じた。また、国内の公害が社会問題化していたころだ。まず、大阪万博の影響がどのように分析されたのか、いくつかの報告書から見てみよう。
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