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4~6月期決算で見えた「稼げない企業・東芝」の暗雲

編集部
決算発表の記者会見で、各事業部門の業績について説明する東芝の平田政善専務。左は綱川智社長=2017年8月10日、竹内紀臣撮影
決算発表の記者会見で、各事業部門の業績について説明する東芝の平田政善専務。左は綱川智社長=2017年8月10日、竹内紀臣撮影

1カ月半遅れの有価証券報告書(2)

 東芝は8月10日、2017年3月期決算と、同4~6月の第1四半期決算を発表した。四半期決算は、半導体メモリー事業が好調で、第1四半期としては過去最高の967億円の営業黒字を計上した。ただし、半導体メモリー事業は売却することが決まっていて、それ以外の事業は、まとまった利益を上げられていない。半導体メモリーを売却したら、東芝はどう稼いでいくのか懸念が膨らむ決算内容だった。

 第1四半期の業績を部門別にみてみよう。半導体メモリー事業は売上高2578億円で、903億円の営業黒字をあげた。売上高の35%の営業黒字という高収益ぶりで、東芝全体の営業黒字の93%をこの事業で稼いだ。中心商品であるNANDフラッシュメモリーの需要が、スマートフォンなどの記憶容量の増大に伴って高まっているためだ。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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