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「今曉(こんぎょう)、西太平洋で米英軍と開戰(かいせん)す」
破格の1面8段で伝えた縦見出しを、神戸市北区の元毎日新聞社員、西村保彦さん(90)が忘れる日はない。1941年12月8日、大阪毎日新聞(当時)が夕刊で報じた真珠湾攻撃だ。編集作業を補助する「給仕」だった西村さんは、記事をレイアウトする整理部員がつけたその見出しに驚いた。3年8カ月に及ぶ太平洋戦争の始まりだった。
しみの浮く当時の縮刷版の背表紙には「昭和16年12月」とある。「不思議です。戦後の出来事は山ほどあったのに、今の私には、この見出しをはじめ、戦争の記憶ばかり残っているのですから」。混迷の始まりを告げる大見出しに、15歳だったあの日を重ね合わせた。
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