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国民投票敗北で伊ユーロ離脱の可能性はあるのか

伊藤さゆり・ニッセイ基礎研究所上席研究員
辞任を表明したレンツィ伊首相
辞任を表明したレンツィ伊首相

 イタリアで12月4日、議会上院の権限を縮小して政権安定を目指すことの是非を問う国民投票が行われ、結果は反対が賛成を大きく上回り、レンツィ首相が辞任を決めた。

 国民投票で敗北し、首相が辞任に追い込まれる構図は6月の英国のキャメロン首相と同じだ。支持率で与党民主党に迫る勢いのポピュリスト政党「五つ星運動」や「北部同盟」は国民投票の結果を受けて勢いづいている。

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ニッセイ基礎研究所上席研究員

早稲田大学政治経済学部卒業。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、ニッセイ基礎研究所入社。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。2012年7月から現職。早稲田大学大学院商学研究科非常勤講師兼務。著書に「EU分裂と世界経済危機 イギリス離脱は何をもたらすか」(単著)「EUは危機を超えられるか 統合と分裂の相克」(共著)。